はり太郎ブログ Haritaro’s Blog

婦人病と打鍼

2024.06.20

各地でちらほらと梅雨入りしてきましたね。

京都の夏はじめっとしているので、梅雨時期は気温がそこまで高くなくても内臓疲労が溜まりがちですのでご注意ください。

余談ですが、打鍼は内臓系一般にかなり有効な鍼術です。夏バテ気味だなと感じましたら、一度ご相談ください。

 

さて、今回は婦人科系の病気と打鍼についてです。

当院が婦人科系の症状や妊婦さんが得意なのは、私が女性だからではありません。

もともと、打鍼が女性疾患一般を扱っていた歴史があるためです。

もっというと、戦前までは鍼灸などの伝統医学は、現代の内科や外科・婦人科・眼科などどんな症状も治療していました。そのため、伝統医学だからこその独自の治法が存在します。

 

中でも、打鍼は戦国時代の世に刀傷の治療に有用とされ、同じように血を扱う妊婦の治療を兼任していたようです。

最近の臨床検証でも分かってきましたが、刀傷(外傷)の後遺症と妊産婦の症状は非常に類似しています。

よく出産は、交通事故と同様のダメージを身体に負うといいますが、まさに外傷レベルのダメージとそれを受けての身体のフィードバックが起こるわけです。それだけ、産みの苦しみとはとかく大きいもなのですから、母は強しといえど根性で片付けずに、しかるべきケアをしてほしいなと思います。

実は、2年前に阪大で妊婦をモデルに施術の有効性について検証を行いました。

最新エコーを使い、医師と助産師に立ち会ってもらい、施術前後で子宮と胎盤位置に変化がみられるかの実験です。

結果としては、子宮、胎盤ともに数センチ~5センチ程度、頭側に挙上されたことが分かりました。

生殖器が重力方向とは逆の方向に数センチ持ち上がるという事は、流産の予防や妊婦の恥骨痛、婦人科系全般にもかなり有効だということが明らかになった訳です。

実験の詳細についてはまたわかりやすくブログにも取り上げようと思いますが、打鍼術の有用性は他の医療者にも認めてもらえるものだと証明されたと思います。

どんな医療技術だろうと、”どうしてもつらい”といった症状が軽減してくれる一助になるのであれば、価値あるものだと思います。

ぜひ、伝統医学である打鍼も必要な方の助けになることを願っています。

 

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